投稿日時 2013-03-13 23:13:19 投稿者 GORO このユーザのマイページへ お気に入りユーザ登録 |
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ミニ小説 春の入学式から数日が経った、ある日。 「るーるる、るーるるー」 携帯からお気に入りの音楽をダウンロードした。 鼻歌をつきながら椅子の背に体を預ける鍵谷真木。 今日は休日ともあり、ぐーたらとした感じでリラックスしている。 「るーるる、るるーるるー」 普段なら、布団に寝転がりそのまま数回と『お休みコンボ』にトライするのだが、今日の鍵谷はそれすら忘れて浮かれていた。 理由は一つ。 彼女には好意を抱く一人の少年がいるのだ。 そして、昨日はその少年と長く話をすることができた。 「るーるるるるーるるー」 だから上機嫌の鍵谷。 しかし、その状態になり始めたのが朝の8時。 現在、昼の1時を過ぎている。 鍵谷は同じ曲を聴きながら、口元を緩ませている。と、その時。 プルルルル、プルルルル、と。 曲が止まり、続いて通話機能が作動した。 誰だろ? と鍵谷は画面に目を向けた、そこには浜崎と名前が映し出されていた。 「玲奈?」 浜崎玲奈。 鍵谷の親友であり、もっとも信頼できるクラスメートだ。 イヤホンをつけながら、通話ボタンを押した鍵谷。 その直後。 「いい加減に出なさいよ、アンタ!!!!」 ビビビビビビィィィ!! と、両鼓膜から大音量の怒りのサウンドボイスが叩き込まれた。 「ッキャー!? な、な、な、何するの」 「早く出ろって言ってるのよ!!」 「電話なら出たじゃ」 「げ・ん・か・ん!」 「ッ一つ!! え!?」 鍵谷は急いで椅子から立ち上がり、玄関へと向かう。するとそこには玄関前扉に背持たれる人影がある。 「アンタ、学校の掃除当番。私と交代よ」 「ええ!? 何で!」 「私の休日時間を二時間も無駄に、し! た! か!ら! よ!」 「っ!?」 「鼻歌つきまくってたし」 「ぁ、いやそれはぁ……」 「言い訳?」 「ぇーとー」 「返事は?」 「……………………………………………………ひゃい」 こうして季節は日々過ぎていく。 |
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